世の中には、その場所に長くいる人にとっては「当たり前」でも
外から来た人にはまったく説明されないルールや空気があります。
最初に前提条件を教えてもらえないまま、
あとから「それは違う」「普通はこうする」と言われる。
そのたびに私は、
「それなら先に教えてほしかったな」と思ってきました。
このテーマについて、私は3つの記事を書いています。
それぞれ、役割が少しずつ違います。
記事1｜出来事
出産入院中、病院で「教えてもらえなかった」と感じた具体的な出来事。
記事2｜気持ち
出産そのものよりも、入院生活がつらかった理由や、そのときの心の状態。
記事3｜考え方
前提条件が共有されない空間で感じてきた違和感と、最近たどり着いた折り合い。
その場の人だけが知っているルール
その空間で長く過ごしている人ほど、
自分たちのルールや流れが“見えなく”なっていくのだと思います。
でも、初めて来た人は違います。
何が正解で、何がNGなのかがわからない。
質問しようにも、
「何を聞けばいいのか」
すらわからないこともあります。
教えてもらえないまま、評価される感じ
前提が共有されないまま行動して
あとから注意されたり怒られたりすると
とても理不尽に感じます。
自分が悪いのか知らなかっただけなのか
判断がつかなくなるからです。
そういう経験が重なると、
その空間にいるだけで緊張してしまいます。
出産入院で感じた、強い違和感
この「前提条件が共有されない感じ」は、
出産後の入院生活でも強く感じました。
病院には、病院独自のルールや流れがあります。
でも、それを一から説明してもらえることは、
あまりありませんでした。
そこにいる看護師さんたちにとっては日常でも、
患者側にとっては、すべてが初めてです。
わからないことを、わからないと言えない空気
忙しそうな様子を見ていると、
「こんなこと聞いていいのかな」と遠慮してしまいます。
聞かずに過ごして、あとで
「知らなかっただけ」のことで戸惑う。
そんなことが、何度もありました。
私は、こういう空間が特に苦手
私は前提をきちんと共有してもらえる方が安心するタイプです。
曖昧な空気や察することを求められる環境は
とても疲れてしまいます。
だからこの話は誰にでも
同じように当てはまるわけではないと思います。
ただ私にとっては確かに
しんどさの原因になっていました。
悪意がないことも、わかっている
多くの場合、教えない側に悪意はありません。
忙しかったり説明する時間がなかったり、
「言わなくても伝わる」と思っているだけかもしれません。
それでも、受け取る側が不安になることはあります。
退院時のアンケートには、不安だったことや不便に感じたことを
改善点として書いて提出しました。
それが改善されたのかは分からないけれど、
何も言わずに自分の中だけで折り合いをつけるより、
「これはつらかった」と外に出せたこと自体が
私にとっては自分を守る行動だったのかもしれません。
前提条件が共有されるだけで、楽になる人もいる
すべてを丁寧に説明するのは大変かもしれません。
でも最初に少しだけでも流れやルールを教えてもらえるだけで、
救われる人は確実にいます。
私は、そういうタイプでした。
同じように感じてきた人へ
もし
「自分は気にしすぎなのかな」
と思いながら、ずっと我慢してきた人がいたら。
それは、前提条件が共有されない空間が合わなかっただけかもしれません。
あなたが弱いわけでも、おかしいわけでもありません。
ただ、安心できる説明が必要な人だった。
それだけのことだと思います。
自分を守るために、最近思うこと
前もって説明が欲しかったと思うのは、私の正直な気持ちです。
でも同時に、世の中のすべてがきれいに整備されているわけではないとも感じています。
そのたびに傷ついていたら、心も体も削られていってしまう。
だから最近は、もし同じような状況になったとしても
なるべく深く傷つかないために、
自分なりの折り合いのつけ方を考えるようになりました。
・少し鈍感に物事を捉える
・相手の意見を一旦聞いて、すべてを真に受けず情報を取捨選択する
・「これは仕方ないことだ」と、いい意味で割り切る
・わからなくて当たり前と思う
・この場は練習だと心の中で距離をとる
全部は難しくても、どれか一つできるだけで
自分を守れる場面がある気がしています。
この記事は、
出産入院中に感じた戸惑いや不安から、
これまでの自分の経験を振り返って書きました。
似た感覚を持つ人が少しでも
「自分だけじゃない」
と思えたら嬉しいです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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